a sunny place

神戸ひだまり法律事務所のスタッフブログです。法律のことは事務所に任せて,それ以外の日々の出来事などを綴っています。

がっかり名所


名所でがっかりって相反するような気がするのですが,有名な観光名所なのに,あれ?これが?って思うことありますよね。

高知県へ行ったとき,“がっかり”で有名なところがあるらしい,ということで,それはぜひとも,がっかりしたい!と思い,行ってまいりました!

その栄えあるがっかり名所とは・・・「はりまや橋」(高知市はりまや町)です!


なんでも,こちらのはりまや橋は,“土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た” と,土佐の民謡・よさこい節のフレーズに出てくることからも有名だそうです。

期待を胸に,大きな道路を歩いていくと,車道と歩道の間に石造りの欄干(らんかん)が・・・・。
「橋」だけど欄干のみで,川にも線路にも架かっておらず,ただのガードレール状態。

まあ,こんな感じか・・・と思って近づくと,石造りの欄干の傍らに,とってつけたような小さい朱塗りの橋が・・・(こちらは一応,小さな人工水路に架かっております)。
しかもこっちが観光スポットっぽい・・・。

え? これ?? ・・・っていうか,短すぎ!

看板を読むと,こちらは平成5年に整備をし,昔のイメージとしてつくられたものだそうです。
え?本物じゃないの??
まさに,アンパ~ンチをくらわせられたような衝撃!


なんでも,以前の朱塗りの欄干は地下道に展示されているとのこと。
ふむふむ。
おや,ちょっと待って・・・。じゃあ,車道と歩道の間にある石造りの欄干は何?
看板によると,架けられた当時は簡素な木造の橋であったとのこと。
朱塗り?石造り?木造? 一体,どれが本物??


そもそも,この「はりまや橋」というのは,江戸時代に,堀川という川を挟んで商売を行っていた播磨屋さんと櫃(ひつ)屋さんが互いに往来するために私設の橋を架けたそうです。
その後,橋は何度か架け替えられたとのこと。

まず,町の発展に伴い,木造の橋から鋳鉄製の橋に。(←現在,近くに架橋当時の姿を復元。)
そして,戦後の道路整備の際に,石造りの欄干の橋に。(戦後,川は埋め立てられました・・・。)
さらに,昭和33年の南国博覧会の際に,朱塗りの欄干が登場。(←現在,地下道に展示。)
またまたさらに整備に伴い,朱塗りの欄干が撤去されて,石造りの欄干を設置。(←現在,ガードレール状態のもの。)

平成5年にイメージとして,朱塗りの橋を再現。(←これが現在の観光スポット。)


という,波瀾万丈な道のりを何度も渡ってきたようです。(橋だけに。)
さすが,がっかり名所!! なんだか見るべきポイントがよく分からない,まさしく迷所!

でも,長い間,それぞれの時を経て渡されてきた橋(というか,途中からは欄干だけですが。)を,ちゃんと残していこうという思い入れが強く感じられました。

高知城や高知駅からもほど近い場所にあるこの,はりまや橋
近くへ行った際には,ぜひ,見事な“がっかりっぷり”を味わってみてください! 

 

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